「昔ながらの米づくりを体験せよ!」第273回サルシカ隊がいく

投稿日: 2014年09月23日(火)08:25

s273-01写真/写真師マツバラ(松原豊) 文/サルシカ隊長

三重県津市美里町細野地区のサルシカ第一田んぼにつづき、今年から秘密基地のある平木地区でも田んぼをはじめた。
最初は田んぼを拡張するつもりなどなかったのだが、貴重な米の種もみをもらったし、西川のお父ちゃんが田んぼを貸したるし、面倒も見たるぞ〜、というので、ついついその気になってしまったのだ。

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そのサルシカ第二田んぼもいよいよ収穫の時を迎えた。
こちらは、細野の第一田んぼと違って大型のコンバインが入らない。
そもそも軽トラすら横付けできず、歩いて行くしか方法がないところなのだ。

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で、登場なのが、バインダーである。
稲を一条ずつ刈り取り、ある程度たまったところで結束して放り出す。
昔はどこでも使われてた機械らしいが、いまや骨董品の部類であるらしい。
その名前を「あいこ」という(笑)。

「さあ、あいこ、今年も頑張って稲刈りするぞい」

西川のお父ちゃんは、バインダーを娘のように可愛がっているのだ。

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コンバインと違ってバインダーは手間がかかる。
が、その分稲刈りをしていることを実感できるのである。

まずは中谷研修生が機械の操作を教わる。
初めてなので肩に力がはいる。
ガチガチ。
で、あいこも緊張してまっすぐ進まない(笑)。

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が、少しして慣れてきたら、中谷研修生はこの笑顔。

「あいこはいいねぇ、いい子だねぇ、よしよししてあげよう」

何やら変態ちっくなのだ。

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なぜか隊長のワタクシまで研修を受ける。
ついでだから覚えておけ、と西川のおとうちゃんに無理やり(笑)。

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続けて、この日ボランティアでヘルプに入ってくれたミツヤのお父ちゃんも。
もうみんなで研修なのだ(笑)。

バインダーが稲の中を走ると、虫たちが激しく飛び交う。
虫の中での作業だ。

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ひと休みして、はさ掛けのレクチャー。
そう、ここの田んぼは昔ながらのはさ掛けをするのだ。
太陽の光と風で米を乾かすのだ。

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あたたかい陽射しと秋の風は、稲穂をよく乾かすが、それと同時におじさんたちを眠くさせる。
ダメだ、話を聞いていると眠くなる。
身体を動かすのだ!

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さあ、はさ掛けの準備。
稲わらを干すための巨大な物干し竿をつくるところからスタート。
そんなに難しいことではない。

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ワラを二股に割って干す。
詰め込んでどんどん干す。
ただこれだけ。
むずかしくはないが、手間がかかる。
これを乾かしたら脱穀して、さらに乾燥、そしてモミすり作業が待っているのだ。

コンバインでやれば、刈ると同時に脱穀である。

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もう今ではあまり見られなくなった「はさ掛け」。
太陽の匂いをたくさん吸い込んで、どんどんおいしい米になるはずだ。

ふたりの研修生だけでなく、ボランティアのミツヤさん、ワタクシ、そしてカメラの写真師マツバラまでもが黙々とはさ掛けの作業をする。
地味で単純な作業だが、楽しい。
たぶん農耕民族であるわれわれのDNAに刷り込まれているのであろう。

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こうして。
はさ掛けは終わった。
2014年の米づくりもあともう少しで終了だ。